■田原桂一、 光合成with田中泯

■原美術館,2017.9.9-12.24
■「1978年秋、パリで邂逅した二人は光と身体の関係性の探求を始める・・」。 二人とは田原桂一27才と田中泯33才。 1980年までの3年間に撮った作品50枚が展示されている。
全てがギラギラザラザラしている。 田中泯の肉体に砂か汗が付いてそれが光っているようにも見える。 いや、皮膚そのものだ。 粒子の荒さだけではない。 日本の光と影でもない。 確か室伏鴻に似たような写真があったのを思い出す。 ここまでギラザラしていなかったが。 近況の田中泯の乾いたダンスからも掛け離れている。
微妙な違和感から当時の舞踏を考えてしまった。 舞踏が世界に広まった時期でもある。 田中泯もこの時が海外初デビューだったはずだ。 土方巽も大野一雄への演出を前年におこなっている。 時代もギラギラ感がまだ残っていたのだろう。 もち二人もギラザラ真っ只中だったと分かる。
館内ショップに立ち寄る。 田原桂一の著書は10冊程あったが天使像を撮ったカラー作品が目に留まる。 色の微妙な艶がとてもいい。 特に赤系統の色に地中海の空気を感じる。 日本とは違う黄系や緑系にはいつも感心するのだが赤は初めてである。 彼は今年6月に亡くなっている・・。