■氷の花火、山口小夜子

■監督:松本貴子,出演:天児牛大,高田賢三,山本寛斎ほか
■イメージフォーラム,2015.10.31-
■出来の良いドキュメンタリー作品である。 山口小夜子の閉じられていた遺品を学校の後輩が開封するのでストーリーに膨らみが出ている。 遺品の中では人形と、愛読書に寺山修司・安部公房の多かったことが印象に残る。 上映後、監督の挨拶があったが本当に挨拶だけだった。 ・・。
ランウェイを歩くのはダンスと同じである。 表情、身のこなし、歩き方・・、身体と衣装の一体となる瞬間が現れる。
ファッションモデルから舞踏、ダンス、演劇に向かったのは彼女が鮫のように泳ぎ続けるタイプだからだろう。 しかし彼女の動きはどこかぎこちなく見える。 精神的にいつも何かに追いかけられている感じだ。 「美しいことは、苦しいこと」には偽りのない本心が聞こえる。
多くの関係者が声を高くして彼女を称賛しているが何かを隠しているようにもみえる。 「・・謎めいた実像に迫る」とチラシにあったが、謎のままでいるほうがよいのではないかと観終っておもった。
*作品サイト、http://yamaguchisayoko.com/