■新たな系譜学をもとめて-跳躍/痕跡/身体-

■東京都現代美術館,2014.9.27-15.1.4
■副題は「身体の痕跡を辿り新たな跳躍をしよう」ということね。 作品の陳列順序はナゼか複雑。 気になった作品を書いていくわ・・
1.ダムタイプ「TRACE/REACT」(2014、音響)
超指向性スピーカを使用した作品。 目を瞑と広い空間の中に居るみたいでづっと座って聞いていたかった。
2.シャロン・ロックハート「エシュコル=ヴァハマン式記譜法における4つのエクササイズ」(2011、映像)
ノア・エシュコルは初めてよ。 腰と肘を中心にしてヨガの動きを速くしたような振付なの。 精神的に安定してるから見ていても草臥れない。 展示室にはパッチワーク作品が飾ってあるの。 彼女がデザインを考えダンサーが縫ったようだけどダンス作品との関係は薄い感じ。 でも彼女の美学が分かって面白い。
3.チョイ・カファイ「永遠なる夏の嵐」(2013、映像)
土方巽「夏の嵐」を記録するため、実験者の神経に電気信号を流して舞踏と同じ動きを電気媒体に保存するの。 デジタル化指向の行き過ぎかも。 作品はともかく芸術家としては楽しそうな人ね。
4.チェルフィッチュ「4つの瑣末な駅のあるある」(映像)
これは元々チェルフィッチュの役者身体の動きや喋り方に特徴があるから分割して作品にできるの。 掘り下げれば面白い結果がでるかもしれない。 でも作品としての舞台も観ておきたい。
5.インバル・ピント&アブシャロム・ポラック・ダンスカンパニ「ウォールフラワ(2014)」「DIO-CAN(1993)」(映像)
前者はこの現代美館で上演したので取り上げたのかしら? 完成度の高い作品にみえる。 後者は身体に絵具を付けて背景の壁に塗っていくとても刺激的なパフォーマンス。 20年の時代差を意識してしまうわね。
6.土方巽「肉体の叛乱」(1968、映像)
地下展示会場は「夏の嵐」で始まり「肉体の叛乱」で終わるとは、やはり土方巽の存在は大きい! ところで映像作品には椅子を2,3用意して欲しい。 ここは客が少ないから可能なはずよ。 どの美術館でも映像作品の展示は無理が出ているわね。
(7.)大植真太郎、森山未來、平原慎太郎「これがダンスに見える日」
展示室が離れていたので見落とした! 出口の掲示を見過ごしたかしら?
・・以上6点が会場で長く足を止めた作品。 でも美術館が提示したモデルコースが複雑で「新たな系譜」を紡げなかったわ。 たとえば上記6点の関係性も見つけられないの。 どうしましョ萬斎さん!
*美術館、https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/seekingnewgenealogy/